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CHAPTER 01 BASICS

Next.jsとは何か

Webサイトが表示されるまでの流れと、React・Next.jsがそれぞれ何を担当しているのかを押さえます。

読む目安 15分確認問題 3問

この章でわかること

  • Webサイトが画面に表示されるまでの流れ
  • ReactとNext.jsの違いと関係
  • Next.jsが多くの現場で選ばれている理由

1. Webサイトが表示されるまで

Next.jsの話に入る前に、Webサイトがどうやって画面に表示されるのかを確認しておきます。ここが分かると、この先の章がぐっと読みやすくなります。

登場人物は2つです。あなたが操作しているブラウザ(Chrome、Safari、Edgeなど)と、サイトのデータを持っている遠くのコンピューター、サーバーです。

ブラウザ あなたの画面(客席) サーバー 遠くのコンピューター(厨房) ① このページをください(URL) ② HTML・CSS・JavaScript を返す
URLを入力すると、ブラウザがサーバーに依頼し、返ってきたファイルを画面に組み立てます。

サーバーから返ってくるファイルは、主に次の3種類です。

種類役割たとえ
HTML文章や見出し、画像の位置など「中身と骨組み」書類の本文
CSS色、文字の大きさ、配置など「見た目」書式設定・レイアウト
JavaScriptボタンを押したときの反応など「動き」Excelのマクロ

たとえるなら

ブラウザはレストランの客席、サーバーは厨房です。客(あなた)が注文(URL)すると、厨房が料理(HTMLなど)を作って運んできます。この「厨房と客席」のたとえは、第4章で大活躍します。

2. React:画面を「部品」で作る道具

昔のWebサイトは、ページごとにHTMLを1枚ずつ手作りしていました。しかし、ネットショップや業務システムのように画面が多く、動きも複雑になると、手作りでは管理しきれません。

そこで生まれたのがReact(リアクト)です。Meta社(旧Facebook)が開発した、画面を部品の組み合わせで作るための道具(ライブラリ)で、いまWeb開発で最も広く使われています。

「ヘッダー」「商品カード」「購入ボタン」のような部品を一度作れば、あとはいくつものページで使い回せます。部品の考え方は第3章で詳しく扱います。

ただし、Reactが担当するのは画面の部品づくりだけです。実際のサイトに必要な次のようなことは、Reactだけでは用意されていません。

  • URLごとにどのページを表示するか(ページの道案内)
  • サーバー側でデータベースからデータを取り出す処理
  • 表示を速くするための工夫や、検索エンジン対策
  • 公開用にファイルをまとめる作業

3. Next.js:Reactに「家一軒分の設備」を足したもの

Next.js(ネクスト・ジェイエス)は、Reactを土台にして、上で挙げた足りない部分を最初からひとまとめにしたフレームワークです。開発しているのは、アメリカのVercel(バーセル)社です。オープンソース(設計図が公開されていて誰でも無料で使えるソフト)として提供されています。

たとえるなら

Reactは、壁・窓・ドアといった建材や部品です。良い部品ですが、それだけでは家は建ちません。Next.jsは、間取りのルール、配管、電気、玄関までそろった住宅の標準仕様一式です。決まった場所に部品をはめていけば、住める家(動くサイト)になります。

ライブラリとフレームワークの違い

この2つの言葉はよく出てくるので、違いを押さえておきましょう。

ライブラリ(例:React)
必要なときに呼び出して使う「道具箱」。全体の進め方は作る人が決めます。
フレームワーク(例:Next.js)
全体の「型」や「決まりごと」があらかじめ用意されていて、その型に沿って中身を埋めていきます。自由度は少し下がりますが、迷わずに済みます。

Next.jsが用意しているもの

機能ひとことで言うと扱う章
ルーティングフォルダを作るとページになる道案内の仕組み第2章
レンダリング画面をサーバーで作るか、ブラウザで作るかの使い分け第4章
データの読み書きデータベースや外部サービスとのやり取り第5章
最適化画像や文字の表示を自動で速くする工夫、検索対策第6章
ビルド公開用にファイルを変換・まとめる作業第7章

4. なぜNext.jsがこれほど選ばれているのか

Next.jsは、個人のブログから大企業のサービスまで幅広く使われています。理由は主に4つです。

  1. 表側も裏側も1つで作れる:画面(表側)と、データ処理などのサーバー側(裏側)を、同じ仕組みの中で作れます。小さなチームでも一通りのサービスが作れます。
  2. 速くて検索に強い:サーバー側でページを作ってから送るため、表示が速く、Googleなどの検索エンジンにも内容が伝わりやすくなります。
  3. 情報が多い:利用者が多いため、困ったときの解説記事や事例が豊富です。AIも学習している情報が多く、AIにコードを書かせたときの精度が高いのも、今では大きな利点です。
  4. 公開が簡単:開発元のVercel社のサービスを使えば、数クリックでインターネットに公開できます(第7章)。

注意:向いていない場面もある

文章中心の小さなサイトなら、WordPressやノーコードツールのほうが手軽なこともあります。Next.jsは「動きのある画面」「データを扱う機能」「今後の拡張」が必要なときに力を発揮します。

5. バージョンと「2つの作り方」

Next.jsは毎年のように大きく更新されています。2026年秋の時点ではバージョン16系が最新です。更新は速いので、AIや解説記事を見るときは「いつの情報か」を気にする習慣をつけましょう。

特に知っておきたいのが、ページの作り方に2つの方式があることです。

方式フォルダ名位置づけ
App Router(アップ・ルーター)app/2023年から標準になった現在の方式。新機能はこちらに追加される。本教材はこちらが前提。
Pages Router(ページズ・ルーター)pages/以前からある旧来の方式。今も動くが、新しく作るなら選ばない。

インターネット上には古いPages Routerの解説も多く残っており、AIがその書き方を混ぜてくることもあります。見分け方は第8章で紹介します。

この章のまとめ

  • ブラウザ(客席)がサーバー(厨房)にページを頼み、HTML・CSS・JavaScriptを受け取って表示する。
  • Reactは「画面を部品で作る道具」。Next.jsはReactを土台に、ページ分け・サーバー処理・高速化などをそろえたフレームワーク。
  • 現在の標準はApp Router(app/ フォルダ)。2026年秋時点の最新はバージョン16系。

確認問題

選択肢を1つ選んで「答え合わせをする」を押すと、正誤と解説が表示されます。何度でも選び直せます。